017 生命保険の値上げとその背景
4月からの生命保険料の値上げが記事になっていました。
マイナス金利導入後、国債利回りが低下したことから、すぐに標準利率の改定があるだろうと言われていましたし、実際、昨秋に標準利率が1.00%→0.25%に改定されると発表されました。
標準利率が下がると保険会社は、将来の支払いのため積み立てている責任準備金を積み増さなくてはならなくなります。
そのため、各社その積み増しに備えるために保険料を上げなくてはいけなくなります。
そもそもマイナス金利が導入されて、なぜ生命保険が値上がりするのでしょうか?
それは保険会社が、保険料を別の金融商品に変えて運用をしているから。
たまに勘違いをされている方がいますが、受取ったお金をそのまま大切に保管して、万が一があった人に配っているなんて事はありません。
ただし、大切なお金を毀損させるわけにはいきませんから、あまりリスクのある投資はできません。そのため基本的には安定資産で運用しており、大部分は日本国債を購入してその金利で運用しています。
生命保険の標準利率は10年国債の利回りを基準に考えられているのですが、
その10年国債も昭和61年当初は5.0%ほどの利回りがあったものの、平成26年あたりには1.0%内外、そもそもの超低金利次代に、追い討ちをかけるようにマイナス金利導入後は金利自体がマイナスに。。。
(40年物国債も1.0%を割り込む事態に。)
https://www.mof.go.jp/jgbs/reference/interest_rate/
生命保険は数十年先の約束をする性質上、その約束を果ない商品を販売するわけにはいかないので保険料を見直すことに。ざっくりこのような流れです。
また、ここで勘違いをしてはいけないのは、今回の値上げは保険会社が主導してしているわけではないということ。金融庁が標準利率改定を行いましたが、0.25%は過去最低。
仮に保険料を上げずにそのままの商品を販売するとした場合、多額の責任準備金を自前で積み上げなくてはいけなくなります。それも数千億円単位になるかと思います。企業の存続を左右するような金額です。
という状況下ですので、保険料の値上げに踏みきらざる得ません。。
とはいえ、全ての保険商品が値上がりするわけではありません。
保険商品によって違いはありますから、今回の値上げは確かに検討のキッカケにはなるでしょうが、保険料が上がるの一点張りで、必要のないものまで加入しないように注意したいですね!
2017.2.3 はせたく